2017.02.13社員ブログ

ポスター製造スタッフ【成井の目】見栄と矜持と心意気

おはようございます。
ある時はポスターカットマン、ある時はミスター・タペ
そしてある時は厳しいBチェッカー 製造・成井です。

家内と買い物に出掛け、荷物持ちの私は買い物が終わるまで、
ちょっと気になっていた本を立ち読みしました。

以下、かいつまんで・・・

葛飾北斎で私の一番好きなエピソードは、
シーボルト事件で有名なオランダの医師シーボルトが、北斎に2巻の絵を頼んだ話です。

契約金は150金でしたが、北斎が絵を仕上げて届けると、「75金にマケろ!」と言われます。

北斎は「最初に75金と言えば、色を変えて仕上げることができたのに!」と怒ります。

シーボルトは「それなら1巻だけ買う」と言いますが、
北斎は「売らない!」と言って持ち帰ります。が、
当時の北斎はお金が無く、苦しい生活をしていました。

帰宅した北斎に対し妻は、
「この絵は他では売れない。半値でも売らなければ、また貧乏が続く!」と責めます。

でも北斎はこう言いました。
「売らなければ貧乏するのはわかっている。俺だってお金が欲しい。
 しかし、もし半値で売ったら、外国人に『日本人は人を見て値段を変える』と思われる」

この発言こそが芸術家としての誇りを持つ男を表しており、
と同時に彼は日本人としての矜持を持つ男でした。

ちなみにこれを伝え聞いた長崎の貿易商は、150金を払って北斎の絵を買いました。
この後、貿易商からは北斎に絵の注文が何枚もあり、それらはオランダに輸出されました。

「雑談力」 百田尚樹
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ソニーの盛田昭夫会長の逸話を思い出しました。
トランジスタラジオをアメリカで広めるため、色々な所に売り込みに行きます。が
なかなか契約に繋がりません。

そしてついに、10万台購入するという企業が現われました。
しかし、その条件が・・・「SONYのロゴを入れない」。

条件を聴いた盛田さんは契約を断りました。
「SONYの名を削って売るのでは意味がないのです」と。

続けてこう言いました。

「現在あなたの企業にはブランドがあるかもしれないが、50年前はそうではなかったはずです。
 私たちSONYも50年後には御社同様にブランドを築き上げて見せます」

帰国後の日本では、なぜ断ったのか?と非難を浴びたといいます。
社員全員ギリギリのところで戦っていたのです。

しかし盛田氏は、

「戦後の日本を復興させるために、『MADE IN JAPAN』を

日本の技術力の代名詞とする!との信念で契約を断ったのだ」と
社員に語ったそうです。

その後、ソニーのトランジスタラジオは売れ、
ニューヨークの五番街にソニーのショップが出来、日の丸の国旗が店頭に掲げられた姿を見て、
共に日本の製品を売り込みに来ていた他の日本企業の営業マンたちは涙を流し、そして奮い立ったそうです。
見栄を張ったわけではなく、日本人としての誇りをもっていたのです。

そして、見栄と心意気は全く違います。

お金があることをひけらかすように高いワインを頼めば見栄ですが、
友人が念願のお店を開き、その開店祝いに駆け付けたとき、
その店の一番高いワインを頼んであげるのは心意気だと思います。

自分を大きく見せたいのは見栄、人を想い察するのが心意気。
仕事に誇りを持ち、心意気を大切にしていきたいですね。

今日も毛が無く、否、怪我無く!