連続するか分からない小説「はまぐり」第三話
【第三話】
私達は、三重県桑名市の中央町というエリアに住むことにした。
あのタクシーの運転手さんからは、
「そりゃあいい場所だよ~アピタに近いし」と太鼓判をもらったほどだ。
アピタっていうのは、東京でいうところのアリオみたいな大型スーパーで、
(アリオが分からない人はWebで検索して頂きたい。いや、それよりもアピタを検索して頂きたい。)
火曜日は火曜市というものが開催され、より賑やかになる。
さて、私達は先ほど受け取った鍵を手に、いや、鍵といってもカードキーなのだが、
新居のドアを開け・・・れない。なぜ。
ビジネスホテルのカードキーのようにやればいいんだろう、と
知ったかぶってやったのがいけなかったのか。
何度か試して、なんでか分からないまま、やっと入る事が出来た。
当たり前だが、家具も何もないまっさらな部屋。
新築ですよ~といわんばかりの独特の香りが、私達を迎え入れてくれた。
ふう~と一息つきたいところだが、
私達にはやるべきことがある。
そう、寝床の確保だ。
つづく・・・
これは、印刷会社で働いている東京生まれ東京育ちの夫婦が、
とあるプロジェクトをきっかけに、
三重県桑名市で奮闘する、多分ハートフルなお話です。