連続するか分からない小説「はまぐり」第四話
【第四話】
私達にとって、睡眠はかなり大事だ。
床に直接寝る夜なんて過ごしたくない、という確固たる気持ちで、アピタに向かった。
アピタに入ってすぐのところに、寝具売り場を見つけた。
そこには沢山の、何と言ったらいいだろうか、花柄?なのだろうか、
おばあちゃんの家で見かける、あの謎柄の布団がずらりと並んでいた。
夫にはこれらの布団を買う選択肢は無いようで、
ハンターのように目を光らせて布団を探していた。
すると、
聞いた事のあるような、ないような、そんな名前の低反発マットレスを見つけた。
どれどれ、値段はいくらかな?
・・・う~む。値札を見て、少し悩む。
1年間の生活には、ちょっと高いかも?
しかし、私達が買い物をする上で、重要と考える要素のひとつ。
それは、費用対効果。
パッケージに書かれている内容を読む限り、最高の睡眠を提供してくれるそうだ。
私達に悩む時間などない。
なぜなら、アピタ以外に徒歩で買いに行けるお店がないからだ。
ネットで注文しても数時間後に届けてくれることは不可能だし、
うん、なら、もう買っちまおう。
つづく・・・
これは、印刷会社で働いている東京生まれ東京育ちの夫婦が、
とあるプロジェクトをきっかけに、
三重県桑名市で奮闘する、多分ハートフルなお話です。