【読書感想】彼女のこんだて帖/角田光代
こんにちは製造の西です。
久しぶりに小説を読みました。
せっかくなので感想を書こうと思います。
「彼女のこんだて帖/角田光代」
■こんな本■
日常のちょっとしたことにドラマを感じる短編小説集。
全てのお話が少しずつ繋がっていて、別の話では一言しかしゃべらなかった登場人物が、また別の話では主人公になっていたりして読むのが面白いです。
主人公になる前からその人物を知っている、というだけでなんだか少し親しみを感じます。
それぞれのお話しに、主人公に寄り添う料理が登場します。(レシピ付き!)
読んでいると癒されるし、心に響く内容もあったりして、読みやすいのに得るものはたくさんある素敵な小説!
■とくに印象的だったところ■
どのお話も面白かったのですが、一番印象に残ったのは5話「漬けもの名鑑」です。
自分よりもずっと家事の出来る彼氏にプロポーズされた主人公が、嬉しいけれども彼と結婚したら自分は一生劣等感を抱えて生きていくことになるのでは。と悩むお話。
悩んだ主人公が「私たちの毎日はかっこいいものとかっこわるいものでできあがっている。豊かであるというのは、きっとそういうことなのだ。」
と前向きになる結末に、劣等感も豊かさのひとつにふくまれるのか~!と感動しました。
うまく行かないことの方が多い毎日ですが、豊かに生きていこうとこちらも思わされました。
■まとめ■
とにかく読みやすい短編集なのでちょっと気分転換したいときなんかにもさっと読めておすすめです。
私自身は料理をするのはあまり好きではないのですが、なにかこれっていう一品が、自分にも欲しいな~と思いました。