2019.03.26社員ブログ

【読書感想】つむじ風食堂の夜/吉田 篤弘

 

こんにちは製造の西です。
今回は私の最近のプチ小説ブーム(といってもまだ4冊しか読んでない)のはじまりとなった「それからはスープのことばかり考えて暮らした」の著者、吉田 篤弘さんの小説

「つむじ風食堂の夜/吉田 篤弘」

■こんな本■
読んでいてなんとなく懐かしい雰囲気を感じます。そして一人でふらっと出かけたくなる。星が見たくなる。そんな本。
タイトル通り、夜の出来事が多いからかとっても静か。
「それからはスープのことばかり考えて暮らした」のほうが個人的にはもう少し賑やかというか、色鮮やかで好きでした。
寝る前に読むなら断然「つむじ風食堂の夜」

■とくに印象的だったところ■
「もし、太陽が消滅してしまったら、それきり昼間は消えてしまうのだろうが、夜は宇宙が存在する限りそこにあり続ける」
「夜とは、すなわち宇宙のことなのである」
こんな、夜更かししている時にふと考えてしまうようなことが、ちらほら書かれていたりします。夜の話。ということがこういう考え事からも伝わって好きです。
学生時代、一人で夜更かしして映画のDVD観たりしていた時のことを思い出します。

 単純にいい言葉だな~と印象に残ったセリフは「電車に乗り遅れて、一人駅に取り残されてもあわてるな。次の電車の一番乗りになれるから」です。
ゆったりとした時が流れる作品なのであまり「一番乗り」という言葉はしっくりきませんでしたが、一人取り残された気持ちになったときに「電車はまた来る。」と思い出せたら気が楽になりそうだなと思いました。

■まとめ■
つむじ風食堂は、食堂と呼ばれているけれどメニューはすべて横文字でレストランのようにしていたり、
果物屋さんは店先で本を読むときの明かりをオレンジに反射させて少し暖かい光にしていたり…登場人物の暮らしとちょっとのこだわりがなんだか素敵で読んでいて気持ちが良いです。

「それからはスープのことばかり考えて暮らした」のスピンオフ作品として「つむじ風食堂と僕」もあるそうなのでそちらも読みたいです。