2020.03.23社員ブログ

ポスター製造スタッフ【成井の目】未来の大人たちへ

おはようございます。
製造・成井です。

月曜朝から長文です。

雑誌に載っていた子供たちに向けたエッセイから。

今、マスクが足りません。
なぜか、トイレットペーパーやちり紙もお店から無くなっています。

マスクはたしかに、足りないようです。
でも、じょじょに生産が追いついてくるようですし、
トイレットペーパーやちり紙はちゃんと普通に生産されて、本当は足りているらしいのです。

足りなくなったのは、「トイレットペーパーが無くなる」という、
ウソの情報を信じた人が、買いあさっているからです。

一部の人は、買い占めたマスクやトイレットペーパーなどを
定価の何倍もの高い値段で売ってもうけています。

なんだか変だなぁ・・・と、思いませんか?

尾崎行雄(おざき ゆきお)という人がいました。
明治~昭和に活躍した政治家です。
当選回数・議員勤続年数(ぎいんきんぞくねんすう)など
いくつもの日本記録をもっていることから「議会政治の父」と言われてます。

彼のお嬢さんが、小学校で「紀伊国屋文左衛門(きのくにや ぶんざえもん)はとても偉い人だ」
という話を聞いてきて、尾崎に話したそうです。

紀伊国屋文左衛門というのは、江戸時代、都でみかんが足りなくなったとき
紀州(いまの和歌山県と三重県の一部)から江戸まで、みかんを運んで大もうけした人物です。

話を聞いた尾崎行雄はお嬢さんに、こう言います。
「紀伊国屋文左衛門は、ちっとも偉くありません。
 江戸の人が困っているのですから、みかんをタダで配ったというのなら偉いけれども
 それで金儲けするなんて、もってのほかです」
尾崎は、そう言ってお嬢さんをさとしました。

また、明治時代に陸軍の医療を近代化させた軍医で赤十字社の社長もやった
石黒忠悳(いしぐろ ただのり)という人は、11歳でお父さんを亡くして苦労した人です。

忠悳(ただのり)が12歳のとき、江戸が台風にみまわれます。
幼いながら彼は、
「紀伊国屋文左衛門は、江戸が大火事のとき、材木を買い占めて大もうけした。
 今回も、多くの家が台風でこわれてしまう。材木は高くて買えないけれど、
 釘(くぎ)を買って売ったらもうかるかもしれないぞ」と。

さっそく彼は釘を買いましたが、その話を聞いたお母さんは激怒します。
彼を正座させて、
「昨年、お前の父上が亡くなられる直前に、
 その枕元でお前を立派な人間にすると私が誓ったことを忘れたのですか!」
つまり彼のお母さんは、
「釘を買ったことは立派な人間のすることではない」と考えたのです。

忠悳(ただのり)の叔父(おじ)たちは、
「これから釘の値が上がる、その前に釘を買って大もうけしようとしたのはたいしたものだ」と彼をほめていました。
しかしお母さんは、そのことにも怒ります。
「こんなことで、人にほめられて得意になっているとは、見下げたものです!」

当時、お母さんの実家の2階に、お母さんと一緒に住んでいた忠悳(ただのり)少年。
激怒したお母さんは、2階から彼の布団を外に投げ捨てます。
「もう、この部屋にあがることはなりません!」
まだ12歳の忠悳(ただのり)少年にとって、お母さんから見捨てられたことはショックで、
その晩は一睡もできませんでした。お母さんが彼を許してくれたのは、3日後・・・。

さて、尾崎行雄が娘をさとし、忠悳(ただのり)のお母さんが激怒したのはなぜなのでしょうか。

それは、
「人が困っているときに、人を助けるのではなく、
 困っていることに便乗(びんじょう)してお金もうけをしようとしたこと」
これは、立派な人のする事ではない、人としてやってはいけない事・・・だと思ったからですね。

文左衛門は実際にこうしたことをやったのか史実では確認できません。
しかし、こういう行ないが、いつの時代どこの国でも起こっているのは事実です。
そして私たちは今、目の前で、それを体験しているのです。

皆さんも自分の心に問いかけて、少しでも「おかしいな?」と感じたら、まずは立ち止まって考えてみましょう。

休校中の子どもたちに贈る「こんなときだからこそ伝えたいこと」
瀧澤 中(作家・政治史研究家)
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 相田みつを(詩人・書家)さんの言葉に
「損か 得か 人間のものさし、嘘か 真か 仏様のものさし」というものがあります。
大人として、社会人として、そして人として・・・
行動指針・判断基準は割りとシンプルだ・・・・と常々思っていますが皆さんはいかがでしょうか?

今日も毛が無く、否、怪我無く!