2021.05.11プリオの使い方

【リッチブラック】いろんな黒を印刷してみた!おすすめの数値は?

こんにちは!ポスター印刷のプリオの三井です。プリオで印刷について勉強し始めてもうすぐ7年経ちます。

本日は様々な黒を印刷してみた結果と結果からプリオスタッフが是非お客様に知ってほしい、注意してほしい内容を書いていきます。

 

プリオで印刷した場合の結果です。他の印刷会社さまでも同じように印刷されるとは限りません。

印刷される色は用紙、インク、プリンターの設定で変わります。

印刷したデータ

一言で黒色と言ってもデータの作り方によっていくつか種類がございます。

 

黒いインクのみで印刷するスミベタ」や「K100と呼ばれる黒と

CMYKの全てのインクを使って表現するリッチブラックです。

 

CMYKって何?という方はこちら

リッチブラックはCMYKの全てのインクを使用しますが

どのインクを何%にするのかによってもまた変わってきますよね。

 

今回比較するために用意した黒は

印刷に推奨されるC 40%,M 40%,Y 40%,K 100% ( リッチブラック )』(真ん中のデータ)と

印刷には不向きのCMYKすべて100% ( 4色ベタ )』(右端のデータ)、

そして『 K100% ( CMYは0% )』です。

 

データを画面上で見る限りは真ん中のリッチブラックと右端の4色ベタの違いはわかりません。

 

さてどうなったか…

結果

左上は布ポスター、右上はターポリン、 左下はパールフォト紙、右下はパワー合成紙。

 

多くの用紙は多少の違いはあるものの、今回のように並べてみて初めて分かる程度の違いでした。

CMYKをすべて100%にしたからより黒くなるということはございません。

 

気になる結果になった用紙をご紹介していきます!

マット紙、マット合成紙で驚きの結果が

マット紙

マット合成紙

 

結果:4色ベタはより深い黒になるのではなく色が変わってしまった。

理論上は『C 40%,M 40%,Y 40%,K 100%』よりも『CMYKすべて100%』の方が

使用されるインクが多いのでより深い黒になると想定されましたが

マット紙とマット合成紙に印刷するとなんだか深い緑のような仕上がりに。

 

実際に目にしているわたくしからするとお写真だと伝わりづらい…!

実物はもっとわかりやすく色がちがいます。

 

綺麗に印刷された光沢紙とマット合成紙を並べてみました。右上が緑がかってます。

上がマット合成紙、下が光沢紙

 

何故色が変わったのか、明確な理由はわかりませんが

その他の用紙は極端に色が変わることはなかったため

用紙によるインクの乗りやすさ(インクの吸い込みやすさ)の違いだろうと推察いたします。

「マットの素材は4色ベタが少し緑がかって発色する。」ということがわかりました。

電飾フィルムの黒は『CMY 40,K 100』がおすすめ

電飾フィルムは裏から光を当てて使用するバックライトフィルムです。電飾看板に使用するためのものです。

光を当てて使用するため光を通すように乳白色になっています。そのため真っ白の紙に印刷するのに比べて少し印刷が薄い印象になります。

蛍光灯にかざして見た電飾フィルム

黒いところは光を通さずしっかり黒くしたい!という場合はリッチブラックでデザインをご作成ください。

K100の黒は明らかに薄く仕上がります。

光沢塩ビの黒は『CMY 40,K 100』がおすすめ

光沢塩ビのK100はなんだかぼやっとした印象に仕上がりました。

全面に黒いインクがのっておらず細かな白い点があるような感じに。(お写真で伝わりますでしょうか…)

白い縦の線は光の反射です。

これも用紙によるインクの乗りやすさが原因だと思われます。

綺麗に黒のベタを印刷したい場合は是非リッチブラックで!

4色ベタ(CMYKぜんぶ100%)は使用しない!

多くの印刷会社でも同じようにご案内していますが4色ベタ(CMYKぜんぶ100%)は使用しないでください。

使用するインク量が多いと乾きづらく、乾かないうちにゴミの不着やインク剥がれが起きてしまいます。

リッチブラックを使用したい場合は『 C 40%,M 40%,Y 40%,K 100% 』で綺麗な黒になります。

4色ベタはIllustratorなどの画像編集ソフトで意図的に数字を100%にしない限り簡単に作れる色ではありません。

IllustratorやWordなどで普通に文字を打つ分には4色ベタになることはありませんのでご安心ください。

感想:色の認識は人それぞれ、そして伝えるのが難しい…

今回この検証してて思ったことは2つ。

1つは同じ色をみていても人によって感じ方が変わるということ。

数値は関係なく『より黒いのはどれ?』と聞いた時に人によって答えはばらばらでした。

どの黒が「良く」てどの黒が「悪い」とは言い切れないくらいの絶妙な違いでした。

 

もう1つは色をその場にいない人に伝えることが難しいということ。

写真に撮るのと肉眼で見るのとは違う!!こうじゃない!となりながらこのブログを書きました。

さらに写真をパソコンで見ても肉眼でみるのと違う…となりました。正直。

生で現物を見てほしい…でもネットショップだしなぁ…

できるだけわかりやすい写真を選びながら、わかりやすい文章になるように心がけました。
(その文章は私の主観でできていますが…)

 

参考にしていただけますと幸いです!

 

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