ポスター製造スタッフ【成井の目】早く? 深く?
おはようございます。
ある時はポスターカットマン、ある時はミスター・タペ
そしてある時は厳しいBチェッカー 製造・成井です。
米国トランプ新大統領の就任演説の時に、
左手を置いた聖書は16代大統領リンカーンが使っていたものだったそうです・・・・
という話をテレビで聴いて思い出しました。
弁護士を目指していたリンカーンは、文学や歴史、
法律について独学で豊かな知識を身につけました。
が、理解力が飛び抜けて優れていたわけではなかったそうです。
もし彼と同じ学校に通ったとしたら、大統領どころか、
将来弁護士になるとさえ想像できなかっただろう。と言われています。
いとこの一人は、彼のことを
「ちょっと鈍くさくて、優秀な少年ではなかった」と語っていたそうです。
リンカーン自身はこう述べています。
「私は学ぶのに時間がかかるが、学んだことはなかなか忘れない。
私の頭は鋼に似ていて、何を刻むにも大いに苦労するが、
刻まれたら消し去ることはまずできない。
学ぶのに時間がかかるが、学んだことはなかなか忘れないんだ」と。
リンカーンのこの言葉は、
脳が情報を吸収する過程について言い表しています。
つまり、学ぶのに苦労したときのほうが習熟度は高い、ということなのですね。
これは、運動や職人の技術などでもいえることですね。
簡単に習得した人は、元々ある筋繊維を使うので、そこそこ上手にはできますが、
苦労して習得した人は、その技(技術)専用の筋繊維を新たに開発するので、
時間はかかりますがプロ級に上手くなっていくのです。
先日テレビで、東京オリンピックを目指す
10代の女子柔道選手の特集が放映されていました。
この選手、オーバーワークで膝を痛めてしまい、
監督から「練習時間中は懸垂をしていろ!」と言われたそうです。
それまでの大会でも大した成績が残せず、
自身には柔道の才能が無いと思っていたこの女子選手は
「監督がそう言うならやってみよう」と、日々の3時間の練習中、
膝が直るまでの3ヶ月間、ずーっと懸垂をしていたそうです。
ようやく膝が治って、他の選手と練習を開始したところ・・・
腕の引きつけが格段に強くなり、相手をグイグイと引き回すほどに。
自分の得意の組み手に持っていける強い握力・腕力を身に着けた選手に大変身したのです。
そしてとうとう世界大会を制しオリンピック候補選手になりました。
私達は、素早く習得することと、深く学ぶことを同一視しやすいようです。
親や教師などの立場からすると、素早く簡単に習得してもらいたいと思います。
ですが、素早く簡単に習得したものは、忘れやすい傾向にあるそうです。
長い目で見ると、忘れる可能性が高いということです。
覚えが悪い、筋が悪い、向いていない、才能がない・・・
みんな嘘だったのです!
本来は、そういう努力をコツコツする人ほど大きな可能性を秘めていたのです。
難しいものにも挑戦していきたいですね。
今日も毛が無く、否、怪我無く!