【今月の1冊】これが生活なのかしらん／小原晩
こんにちはポスター印刷のプリオ製造チームの西です。
今月の私の1冊は「これが生活なのかしらん／小原晩」です。
異例の売れ行きを記録した自費出版作品「ここでから揚げ弁当を食べないでください」の小原晩さんが書くエッセイ。
もしかしたら、自分よりも若い方のエッセイは初めて読んだかもしれません。
私は大体の作家さんをなんとなく「自分より年上の方」であることを前提としながらエッセイを読んでいて、どこか他人事というか、過去の苦労話なんかは「一昔前の話」と割り切って読んでいたことにこの本を読んで気が付きました。
そんなわけで「一昔前の話」ではなくつい数年前であろう美容師時代の話は読んでいて辛かったです。
今まで読んだエッセイと違って割り切って読むことができない分質感がリアルに感じるというか、自分の薄暗い記憶がうっすら蘇ってくるような気がして読むのをやめようかなとも思いました。
そんな中３人暮らしの話は読んでいてとても楽しく幸せで「ずっとこの幸せな毎日が続けばいいのにな」と勝手に思いました。
学生時代担任の先生に「お前なんかいらないよ（部活に入らなくてよい）」と言われたことをきっかけに勉強を始めた話は、ここで悲しむだけで終わらせないエネルギーを持っている著者を尊敬しました。
私ならたぶん泣いて終わって、何かにつけて「私はいらないような存在だから…」と何を頑張る気に盛られなかったことだろうにと思います。
自分がエッセイをどんなふうに読んでいたのかを知れるいいきっかけとなる本でした。
