2025.03.13Adobe Illustrator , データの作り方

イラストレーター「PDF互換ファイル」ってなに?基本と保存時の注意点

Adobe Illustrator(イラレ)でデザインを保存するとき、『PDF互換ファイル』って何?と思ったことはありませんか?

ポスター印刷のプリオでもイラストレーターファイルで入稿する場合には、データ保存時に『PDF互換ファイルを作成』にチェックを入れることを推奨しています。

どうして『PDF互換ファイルを作成』にチェック入れるといいんですか?
データを保存するときにPDF互換ファイルを作成にチェックを入れると、Illustratorファイル(.ai)なのにPDF形式としても読み込めるようになるからです。
便利!つまり、もし画像のリンク切れを起こしてても印刷してもらえるってことですよね?
その通りです。イラレデータに問題があってもPDFデータとして使えるので再入稿していただかなくても大丈夫なんです。
 
ですが、うまくPDF保存されていなかったケースもあるので、結局のところ完璧なイラレデータを作ることが大切です。念のための保険の様なものとして考えてください。

この記事では、PDF互換ファイルの基本から保存時の注意点までしっかり解説します。

イラストレーターデータの強い味方「PDF互換ファイル」

プリオではイラストレーターでデータを保存する時に

「PDF互換ファイルを作成」にチェックを入れていただくようにお願いしています。

イラレ

この「PDF互換ファイル」とは何なのか、どんないいことがあるのかを説明していきます。

PDF互換ファイルとは?

イラストレーターデータを保存すると、イラストレーターファイル(aiファイル)が出来上がります。

このファイル形式はイラストレーターのソフトでのみ再生できる形式です。

他のソフトで開こうとしてもエラーで開けません。

 

ですが、PDF互換ファイルを作成しておくと、PDF形式が開けるソフトであればイラストレーター以外のソフトでも開く事ができます!

 

チェックの有無で開けるソフトが変わる図

 

つまりイラストレーターファイルに問題が生じた際にPDF互換ファイルを読み込んで再生させる事が可能になります。

 

もっと完結に言うと、「PDF互換ファイルを作成」にチェックが入っている時は

【イラストレーターファイル + PDFファイル】で保存されている状態なのです。

aiとpdfができる図

PDF互換ファイルにチェックがどうしておススメなの?

・データを渡した相手のPCにイラストレーターが入っていない時

・イラストレーターデータ内の文字がアウトライン化されていなかった時

・画像がリンク切れを起こしていて正常に開くことができなかった時 などなど

aiファイルが開けない時や、aiファイルでは作業できない時に、PDFファイルとして使えるのでおススメです。

 

イラストレーターでPDF互換ファイルを開く方法

イラストレーターのソフト内「ファイル」→「配置」でイラストレーターファイルを選択。

そうすると配置状態でイラストレーターで作成した内容を再生する事が可能です。

プリオではお客様のイラストレーターファイルに不備が生じた際にこの互換ファイルを使って印刷しております。

 

つまり、イラストレーターファイルで良く起こるデータ不備

  • 文字の未アウトライン化
  • リンク切れ

をしたまま入稿してしまっても、再入稿にならないということです!!

再入稿している余裕がないお急ぎのお客様は特に要チェックです。

PDF互換ファイル保存時の注意点

さて、PDF互換ファイルの便利さについて説明してきましたが注意点もあります。

・アートボード内だけがPDFとして保存される

・フォントによってはPDFにした時に形が変わるのもがある

・バージョンによってはPDFにした時に形が変わるのもがある

 

アートボード内だけがPDFとして保存される

イラストレーターでデータを作ったときのアートボード内の情報のみがPDFとして保存されます。

例えば、アートボードを仕上がりサイズに設定し、アートボードの外にトリムマークや塗り足しを付けた場合塗り足しのないデータになってしまいます。

 

■おススメポイント!■

データを作る時に下の図で赤枠に囲われている「裁ち落とし」の設定をすると裁ち落としの部分までPDFになるので、アートボードを仕上がりサイズにしたいときは裁ち落としの設定をしておくとgood!

イラレ新規画面

 

フォントによってはPDFにした時に形が変わるのもがある

これはPDFファイルとして確認しないと分からない、ちょっと怖い注意点です。

PDFは全ての文字をそのままPDFにできるわけではありません。

 

フォントの不正利用や著作権侵害を防ぐためにフォント自体のライセンスや技術的な制約により、

PDFへの埋め込みが許可されていないフォントや文字があります。

それらを使ったデータをPDFにすると、別のフォントに置き換わった状態のPDFになります。

 

お洒落な文字だったのに、シンプルなゴシック体になっていた・・・ということも。怖いですね。

やはり、イラストレーターで作業する際に文字をアウトライン化しておくことが重要です。

 

【イラストレーター】文字のアウトライン化の解説!

バージョンによってはPDFにした時に形が変わるのもがある

このイラストレーターのバージョンがダメ!ということは明確ではないのですが、

まれにPDFで表示されている内容がイラストレーターで作成していた時とは異なっていたということがあります。

安定したバージョンにダウングレードするか、最新のアップデートを適用することで、問題が起きにくくなるそうです。

 

「PDF互換ファイル」まとめ

「PDF互換ファイルを作成」にチェックが入っている時は

【イラストレーターファイル + PDFファイル】で保存されている状態になり、

もしイラストレーターファイルに問題があっても、PDFファイルとして開くことで問題が解決します。

しかし、PDFも完ぺきではないので、まずは問題のないイラストレーターデータを作ることが最重要です。

 

もしもの時のPDF互換データということで、ぜひイラストレーターデータを保存するときには

「PDF互換ファイルを作成」にチェックを入れてくださいね。

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